【古伊万里】について

古伊万里 色絵唐獅子牡丹文蓋物
【Ko-Imari Kinrande a Covered Vessel with Lion and Peony】

江戸時代初期、現在の佐賀県有田で日本初の磁器が誕生しました。
有田及びその周辺で焼かれた磁器は、最寄りの伊万里の港に運ばれ海路で国内各地に出荷されました。
「伊万里から運ばれてきた磁器」という意味で「伊万里焼」又は「伊万里」と呼ばれるようになりました。
いったん高温で焼きあげた白磁や染付に上絵具で絵付けし、再び窯に入れて 焼きつける技法を、中国では五彩(ごさい) といいます。
17世紀中頃にはこの色絵の技術が導入され、以後中国のさまざまな五彩磁器をもとに、濃厚な色彩と大胆な構図に特色がある独創的な「五彩手(ごさいで)」などが作られました。
古伊万里は、江戸時代約100年間にわたり、東南アジアやヨーロッパに大量に輸出され、王侯貴族たちをも虜にします。
実用品としてのほか、富や権力の象徴として競って邸宅に飾られました。
現代においても海外の愛好家は多く、アンティークショップでは「IMARI」「Old Imari」「Japanese Imari」として珍重されています。